核膜病グループの研究テーマのひとつである「ハッチンソン・ギルフォード早老症（HGPS)」に関する研究成果が、論文誌「Oncotaraget」に掲載されました。
本研究では、HGPSの原因遺伝子の突然変異によって合成されるプロジェリンというタンパク質が、損傷を受けたDNAの修復を担うDNA損傷応答経路を介して血管平滑筋細胞の生育を抑制することを明らかにしました。本成果をもとに、今後、HGPS患者さんで発症する心筋梗塞の原因の解明が進むことが期待されます。
なお、本成果は、千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学木下大輔博士、新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学・先進老化制御学南野徹教授らとの共同研究によるものです。
Daisuke Kinoshita, Ayako Nagasawa, Ippei Shimizu, Takashi K. Ito, Yohko Yoshida, Masanori Tsuchida, Atsushi Iwama, Toshiya Hayano, Tohru Minamino. Progerin impairs vascular smooth muscle cell growth via the DNA damage response pathway. Oncotarget 8, 34045-34056, 2017.
核膜グループ早野俊哉記
